1985年10月17-19日
南アフリカ キャラミ サーキット
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F1はヨーロッパラウンドを終え、舞台を南アフリカへ。
前戦でプロスト(マクラーレン)が初王座を決めたが、男たちの本能のバトルは続く。 セナは5戦連続表彰台を獲得し、前半戦に信頼性の問題があったロータスのマシンも、 安定した性能を発揮できるようになっていた。 しかしここキャラミ(改修前)は長いストレートが続き、 ホンダやBMWには劣るルノーエンジンでは苦しい戦いを強いられる。 それでもセナはいつものように自らの腕で限界まで攻める。 予選では金曜・土曜ともに4位だったが、 強力なホンダエンジンを擁するPPマンセル(ウイリアムズ)には0.5秒差、 チームメイトのデ・アンジェリス(予選6位)には1.3秒の差をつけたことを考えると、 健闘したといえるだろう。 決勝レースでは、一旦順位を落とすが、 すぐにスレール(ブラバム)を見事にオーバーテイクし4位を奪還。 しかし8周目にはすぐにエンジンが壊れスローダウン。 ちなみにこのとき、後ろから抜こうとしていたデ・アンジェリスをブロックしてしまう形になり、 彼を憤慨させてしまったようだ。 エンジントラブルは如何ともし難く、 セナはそのままゆっくりとピットに戻り、リタイアを余儀なくされた。 また、セナだけでなく多くのマシンがエンジンやターボのトラブルで消え、 完走はわずか7台というサバイバルレースになった。 レースは前戦ヨーロッパGPで72戦目にして初優勝を飾ったマンセルが連勝。 6年間の苦労が嘘のように、一度勝利の味を覚えたマンセルは翌年以降、 トップランカーとして近代F1を盛り上げていく。 セナもパワー不足で信頼性に欠けるルノーエンジンに悩まされ、 常に優勝争いをするまでには至らなかったが、 それでも自らの腕でマシンの限界以上の力を引き出し、光る走りを見せ、 若手ナンバーワン・未来のチャンピオン候補としての地位を確立していくのだった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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PP |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'02"366 |
2位 |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1'02"490 |
3位 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'02"504 |
4位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'02"825 |
5位 |
マルク・スレール | ブラバム・BMW | 1'04"088 |
6位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1'04"129 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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優勝 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚28'22"866 |
2位 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚28'30"438 |
3位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚30'14"660 |
4位 |
ステファン・ヨハンソン | フェラーリ | 1Lap |
5位 |
ゲルハルト・ベルガー | アロウズ・BMW | 1Lap |
6位 |
テイリー・ブーツェン | アロウズ・BMW | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 8周、エンジン |
FL |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'08"149 |