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前戦フランスGPから休みなく2週連続で舞台はイギリス・シルバーストンへ。 当時のシルバーストンはストレートをつなぎ合わせたような超高速コース。 エンジンパワーがものを言いそうだが、 同じホンダエンジンを搭載しているウイリアムズとロータスではタイムに大きな差が出て、 シャシー性能差が改めて浮き彫りになる。 金曜予選はマシンバランスに苦しみ4位。 ちなみにセナがタイムアタックに出ようとしたとき、 マンセル(ウイリアムズ)がコース上に落ちていた金属片をはね飛ばし、 それがセナの左フロントウイングにあたった。 幸い大事には至らなかったが、当たり所が悪ければ大ケガにつながっていたかもしれない。 土曜日にはマシンバランスが向上し3位に浮上。 上位2人はウイリアムズ勢が1秒以上速かったことを考えると、 現状ではベストの結果だと思える。 決勝レースでは、予選4位のプロスト(マクラーレン)が素晴らしいスタート。 マンセル、ピケをもかわして一気にトップに立つ。 セナはプロストには抜かれたものの無難なスタートで4位を走行。 スタートに成功したプロストだったが、すぐにピケとマンセルがエンジンパワーを利してかわしていった。 さらにプロストの後方からはセナが迫る。 セナは2周目にプロストをパス。しかしプロストも負けじとその3周後にセナを抜き返す。 この2人にアルボレート(フェラーリ)も加わった3位争いは熾烈を極めた。 しかしセナは燃費のことも計算し、しばし4位で様子を見ることにした。 そして29周目にプロストがタイヤ交換のためピットインすると、 セナは労せずして3位へ。プロストは結局、電気系統のトラブルでリタイアしている。 中盤以降はセナが単独で3位を走行。 セナはそのまま3位でゴールしているが、終盤にマンセルとピケのウイリアムズ勢に周回遅れにされた。 このことを考えると、いかにウイリアムズとロータスにシャシー性能差があるということと、 それにもかかわらず今だにポイントリーダーであるセナが奮闘していることがわかる。 また、中嶋(ロータス)が粘り強い走りで2周遅れながら自己新の4位入賞を果たした。 中嶋はデビュー以来、着実に完走・入賞をものにしてきた。 34歳でのF1デビュー…もしあと5年でも早くF1にデビューしていれば、 トップ争いも決して夢ではなかったと思う。 しかしそれ以上に中嶋の功績には計り知れないものがある。 これで上位4台はホンダエンジン搭載車が独占した。 80年代中盤以降、エンジンパワーでは明らかにホンダが群を抜いていた。 あのホンダ専制時代をもう一度!  | 
ドライバー  | 
チーム  | 
タイム・備考  | 
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PP  | 
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'07"110 | 
2位  | 
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'07"180 | 
3位  | 
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1'08"181 | 
4位  | 
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'08"577 | 
5位  | 
テイリー・ブーツェン | ベネトン・フォード | 1'08"972 | 
6位  | 
テオ・ファビ | ベネトン・フォード | 1'09"246 | 
ドライバー  | 
チーム  | 
タイム・備考  | 
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優勝  | 
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚19'11"780 | 
2位  | 
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚19'13"698 | 
3位  | 
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1Lap | 
4位  | 
中嶋 悟 | ロータス・ホンダ | 2Laps | 
5位  | 
デレック・ワーウィック | アロウズ・メガトロン | 2Laps | 
6位  | 
テオ・ファビ | ベネトン・フォード | 2Laps | 
FL  | 
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'09"832 |